各診療科のご案内

心臓血管外科

方針・理念・目的等

 
 

当科は20134月より診療科として開設されました。7月よりスタッフ3名が揃い、ようやく心臓・大血管手術を行える体制が整いました。そもそも循環器疾患は動脈硬化や糖尿病といった全身疾患が隠れていることが多く、心臓のみを治療しても病気が完治したと言うことにはなりません。そこで、患者さんに合理的かつ総合的な医療を受けて頂くために、ハートチームよる診療を行うよう目指しています。ハートチームとは、循環器内科や心臓血管外科医師はもとより、例えば一般内科医、呼吸器内科医、リハビリ診療医師、地域のかかりつけ医師などのみならず、関連するコメディカル、あるいは在宅ケアチームなどがあわさって一人の患者さんのために治療方針を協議して、決定するというものです

‘高水準、安心と信頼の心臓手術’をモットーに、24時間体制で地域のお役に立てれば幸いです。
 

 

 

 

概要・特色

 

紹介医師や他科医師とも密接な連携を取りながら、全ての心臓血管疾患の手術に対応いたします。

   大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症といった弁膜症疾患に対して、人工弁置換術や弁形成術を行います。

   狭心症、心筋梗塞といった冠動脈疾患に対して、場合によってはカテーテル治療より予後が良好である冠動脈バイパス手術を行います。

   急性大動脈解離、腹部をふくめた大動脈瘤といった大血管疾患に対して人工血管置換術や低侵襲で行えるステントグラフト内挿術にて治療を行います。

   また、末梢動脈閉塞、下肢静脈瘤といった末梢血疾患や一部の先天性心疾患、心膜・腫瘍疾患など、多岐にわたる疾患を診療いたします。

 

疾患によっては、通常より小さな切開で手術を行う事により、体への負担を少なくできるため術後の回復が早く、早期の退院や社会復帰を促したり、傷口を小さく目立たなくしたりする低侵襲手術が可能な場合もあります。

術後は、早期離床を行い、積極的なリハビリを行うことで初めて可能になるFast-Track Protocol(早期回復管理)をすべての患者さんに導入し、術後1~2週間での退院を目指します。

特に、急性大動脈解離や急性心筋梗塞といった緊急度が高く、即座に的確な判断が求められる循環器疾患において、常に最良なタイミングで治療を行わなければなりませんので、現在、24時間体制ですべての症例を受け入れる「No refusal policy」を掲げています。
 

 

新しい治療

胸部・腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術について

当院でも2013年7月より胸部ならびに腹部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術と呼ばれる大動脈瘤の血管内治療が行えるようになりました。
  大動脈瘤とは、高血圧・高脂血症・動脈硬化・喫煙などが原因で、血管が風船のように膨らんでいく病気です。その多くは破裂しない限り無症状で経過し、検診やエコー検査中に偶然発見されることが大半です。大動脈瘤が大きくなると周囲の組織を圧迫して、腹部大動脈瘤であれば腰痛や腹痛の症状が見られます。しかしこのように痛みが出現する段階ではすでに破裂する可能性が高まっていると言えます。大動脈瘤が破裂すると死亡率は80~90%にも上ると言われています。
今までの大動脈瘤の治療は、胸部や腹部を切り開いて動脈瘤を切除し、人工血管を縫いつける「人工血管置換術」が一般的です。しかしこの手術は、大きな傷を必要とするため、体への負担が非常に大きく、高齢者や心肺機能の弱っている方には耐えられる手術ではありませんでした。
ステントグラフトとは、人工血管にステントと言われるバネ状の金属を取り付けた人工血管で、これを圧縮して細いカテーテルの中に収納して使用します。脚の付け根を3~4㎝切開して動脈内にカテーテルを挿入し、動脈瘤のある部分でステントグラフトを広げます。ステントグラフトは金属バネの力と血圧の力で血管に密着・固定され、動脈瘤への血流を遮断します。脚の付け根からカテーテル操作を行うため、胸部や腹部を切開する必要はありません。
血管内でのカテーテル操作だけで治療が終わりますので、一般的に術後の回復も早いとされています。当院でも術後は手術当日より食事を開始し、翌日には歩くことが可能となっています。
今まで動脈瘤を指摘されていても手術することに抵抗を感じている患者様、また大動脈瘤といういつ破裂するかもしれない爆弾を抱え、不安な毎日を過ごされている患者様は多いと思います。全ての大動脈瘤がステントグラフトで治療可能という訳ではありませんが、ステントグラフトは体への負担が少ない治療ですので、ぜひ一度ご相談ください。

ステントグラフト手術のイメージ映像

※動画の読み込みに多少時間がかかります。

 

下肢静脈瘤に対する下肢静脈レーザー焼灼術について

下肢静脈瘤とは?
よく「血管が浮いている」と言いますが、足(=下肢)の静脈が太く浮き出ているものを「下肢静脈瘤」といいます。静脈瘤の多くは太くなっているばかりではなく、曲がりくねっています。また同じ静脈瘤でも太さはいろいろです。血管が浮き出てうねって見えるようなら下肢静脈瘤が疑われます。
たくさん静脈瘤ができていても全く症状のない人もいます。しかし、静脈瘤ができると、足がむくむ、だるい、重い、痛む、ほてるなどの症状がよくでます。足の筋肉がつる、いわゆる「こむら返り」も起こりやすくなります。症状が重くなると湿疹ができたり、色素沈着、潰瘍ができます。同時に、静脈瘤は美容的な悩みの原因にもなります。
静脈瘤が出来やすい条件、つまり危険因子としては性別(女性に多い)、年齢、遺伝、妊娠・分娩、職業(特に立ち仕事に従事する人)などが挙げられます。つまりまとめてみると、お母さんや姉妹に静脈瘤がある女性にできやすく、妊娠をきっかけに静脈瘤ができ、立ち仕事に従事したり、年齢がすすむにつれて病状が進行すると言えます。
下肢静脈瘤の患者数は軽い人も含めると1000万人以上と言われています。日常的によく遭遇する疾患ですが、その病態や治療法が正確に理解されているとは言えず、悩み苦しんでいる患者さんが大勢いると考えられます。
 
下肢静脈瘤の治療法
静脈瘤の治療には大きく3つがあります。つまり①弾性ストッキング②硬化療法③手術療法です。小さい静脈瘤は硬化療法で治療可能ですが、大きい静脈瘤では手術療法が選択されます。手術療法にはストリッピング手術(悪くなった静脈を引き抜く手術)と血管内レーザー焼灼術(静脈を焼いて閉塞させる手術)などがあります。どの治療法が良いかは静脈瘤の種類によって異なります。
 
当院でも2014年9月より下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術を開始し、2015年4月より日帰り手術も行っています!
近年下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術が注目されています。血管内レーザー焼灼術とは治療する静脈の中に細い光ファイバーを挿入し、レーザーの熱によって静脈を塞いでしまう方法です。レーザー治療は細い針を刺すだけで治療することができるため、体に優しい治療法です。また太ももの血管を引き抜かずに、その場所で焼いて塞いでしまうため、出血や手術後の痛みが少なくなります。
当院でも2014年9月より下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術を開始しました。また滋賀県内で初めて、痛みが少なく保険適応の「新型ELVeSレーザー1470nm」を導入しました。また2015年4月より下肢静脈瘤に対する日帰り手術を開始しております。これにより入院での治療が困難な患者様でも下肢静脈瘤の血管内レーザー焼灼術を受ける事が可能になりました。
足がボコボコして気になる方は一度ご相談ください。

 

過去の実績等

 

20135月から201612月までの当科における手術実績の詳細は以下の通りですが、心臓血管外科全手術件数は年間290件に達し、心臓・胸部大動脈手術件数は年間約80件で、この3年半で280件を数えました。

 
 
また、腹部大動脈瘤に対しては、確実な治療方法である開腹による腹部大動脈人工血管置換術と、体への侵襲が比較的低い腹部大動脈ステントグラフト内挿術の2通りの方法で、年間約25件を行っております。高齢者や全身状態の悪い腹部大動脈瘤破裂4症例に対して、従来の開腹手術ではなく、緊急ステントグラフト内挿術を行う事で見事に救命し、皆さん元気に退院されております。
 
 
2014年から下肢静脈瘤手術は、従来のストリッピング術より痛みの少ないレーザー焼灼術へ移行して、その手術件数は年間150件を超えています。
 

 

近江八幡という土地柄もあり、当科では80歳以上の超高齢者の方が、心臓大血管外科手術を受けられた方の3割以上を占めており、その数も年々増えておりますが、中には56名もの90歳を超える方々が心臓手術を受けられて元気に退院されています。

今後、更なる実績を積み重ね、年間100件以上の心臓・胸部大血管手術ができる施設を目指しています。

            
 

 

 

施設認定

当院心臓血管外科3学会構成心臓血管外科専門医認定機構が定めた滋賀医科大学附属病院の関連施設に認定されています。また、その他下記のとおりの施設認定を受けております。

u  胸部大動脈ステントグラフト実施認定施設

u  腹部大動脈ステントグラフト実施認定施設下肢
◆静脈瘤に対する血管内焼灼術実施認定施設

 

メッセージ

 

  

滋賀医科大学心臓血管外科より、優れた知識・技術面を備えているだけではなく人間味あふれたスタッフ3名が赴任しておりますので、心臓の疾患でお困りの方や不安をお持ちの方に、微力ながらお力になりたいと思っています。24時間体制を取っておりますので、緊急手術にいつでも対応しております。

  また、滋賀医科大学心臓血管外科のバックアップ体制も整っており、非常勤医師として浅井徹教授が手術時に来院され、執刀ならびに指導をしていただくこともあります。

 

 

心臓血管外科通信

 

 

OCMC CVS NEWS vol.6募集ポスター

OCMC CVS NEWS vol.5募集ポスター

OCMC CVS NEWS vol.4募集ポスター

OCMC CVS NEWS vol.3 募集ポスター

OCMC CVS NEWS vol.2 募集ポスター

OCMC CVS NEWS vol.1 募集ポスター

ZTVで放送されました!

・心臓血管外科について

・大動脈瘤について

・下肢静脈瘤について


 

 

スタッフ紹介

役職    名前(ふりがな) 資格・略歴等

 

部長

 

 

松林  景二
(まつばやし けいじ)

・平成4年滋賀医大卒
・日本外科学会(認定医・専門医・指導医)
・日本胸部外科学会(認定医)
・日本心臓血管外科学会(修練指導者、専門医)
・腹部大動脈ステントグラフト実施医

副部長    西村 修
(にしむら おさむ)

・平成17年卒
・日本外科学会(専門医)
・下肢静脈瘤血管内レーザー焼灼術指導医

医員   宮下  史寛
(みやした ふみひろ)

 

平成24年滋賀医大卒
・心臓血管外科一般
・腹部大動脈ステントグラフト実施医
・下肢静脈瘤血管内レーザー焼却術実施医

 

非常勤医師   浅井 徹
(あさい とおる)

滋賀医科大学 心臓血管外科教授

・日本外科学会(外科専門医・外科指導医)
・日本循環器学会(循環器専門医)
・日本胸部外科学会(心臓血管外科指導医・心臓血管外科認定医)
・日本心臓血管外科学会(心臓血管外科専門医・心臓血管外科指導医)

 

 

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